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【Q9】異常昇圧とはどのような現象ですか?
また、その対策を教えてください。

異常昇圧とは

異常昇圧とは、本体内部のポケット部に液体(非圧縮性流体)が完全に充満した状態で外部または流体の温度上昇により加熱されたとき、ポケット部内の液体が熱膨張し、流路部から隔離された密閉容器内で膨張した容積の逃げ場がなく圧力が著しく上昇する現象をいいます。
異常昇圧が発生するとボールおよびシートの損傷、シートの一部分がはみ出して噛み込むことによるトルク増、作動不適合、若しくは本体を変形または破壊するなどの弊害を起こすことがあります。
異常昇圧は全開時または全閉時に発生します。液体がポケット部に密閉されない中間開度では発生しません。

異常昇圧対策

◆バルブ全開時の防止策:
標準仕様でボールのステム溝に均圧孔を設けておりポケット部と流路部が導通し同圧となるため、異常昇圧を生じることはありません。(図1)
但し、全閉時に均圧孔はポケット部と同化するため効果はありません。

図1

図1

◆バルブ全閉時の防止策:
全閉時のボールの一次側に均圧孔を設けポケット部と一時側流路を導通し同圧とすることで異常昇圧を防止することができます。(図2)
但し、流れ方向が制限されるため、使用上注意が必要です。また、均圧孔を二次側にしてしまった場合、同じく異常昇圧防止の効果はありますが、弁座漏れに繋がりますので避けてください。

図2

図2

バルブFAQ関連情報